ベロメタルとは
ベロメタル製品のご使用に際し
ベロメタル製品のご使用に際し、その特性、有効性を最大限に発揮させるため下記事項にご留意ください。
A 混合・撹拌
1. 冬季は気温が低く、ベロメタルのベース剤・活性剤とも硬くなり中身が分離しますから、混合する前に各容器の内にドライヤーで温風を吹き入れ軟らかくし、中身をよく撹拌してから取り出した後、混合板の上に別々に置いてから混合します。スーパーラピッドは温めた時は冷やしてから混合します。
2. 標準型は混合後、気温20℃の場合で30分以内に使用してください。なぜならその時間以上放置すると表面が硬化し、接着性が低下しますので施工がしづらくなるからです。尚、タレを防ぐにはそれぞれ10分位経てから塗布します。
3.ベロメタルを施工するとき気泡ができる場合がありますが、これを防止するには標準型の場合、強く混合して5分間くらい放置します。すると分子反応を生じて気泡が消滅します。
B 硬化・耐摩耗性
1. 配管の漏れを補修した場合、ベロメタルの一部が配管内に突出しても、ベロメタル標準型の摩耗係数はジュラルミンと同程度です。標準型の硬度は85(ブリネルHB10)、スーパーラピッドは109(ブリネルHB10)ですので、6N/mm2位以下の圧力の配管等に使用すれば心配ありません。
2. ベロメタルは通常静止物体で行う補修充填剤ですので、振動性のある物体で耐摩耗性が極度に求められる場合は使用できません。尚、耐摩耗性はスーパーラピッド、標準型、ジェルメタルの順位です。
3. スーパーラピッド、標準型とも硬化を促進する目的でドライヤーで加熱した場合でも、機械的性質や外観には何ら変化はありません。但し、スーパーラピッドでは気温20℃以上で補修箇所が20℃以上の場合、自己発熱しますので加温の必要はありませんが、気温や物体温度が低いときはあらかじめ物体の補修箇所を加温してください。
C 塗布・耐圧性・接着力
1. ベロメタルの塗布の厚さは6mm以上を推奨しています。薄く塗布すると化学反応が発生しません。圧力が高いとき又は温度が上下するときは厚さを増してください。但し、標準型は1mm位の厚さでも十分な接着力があります。
パイプの補修の場合は、標準型でも補強テープに塗布して二重に巻くと、より強い耐圧性が得られます。
2. 修理の対象がタンクの場合とパイプの場合又はクラックの場合、穴の大きさによって異なりますが、標準型を使用して補修したときの耐圧性は、パイプの場合補強テープを併用しぐるりと巻きつけて厚く盛り上げた場合、6N/mm2の圧力に耐えます。
3. 内圧が高いときは標準型の厚さ40mm以上になるように厚く塗布し、補強テープを何層にも巻き上げます。
4. ベロメタルで濡れている物体を補修する場合、標準型は溶着しません。この場合にはスーパーラピッドを使用します。スーパーラピッドは漏れ圧力0.1N/mm2くらいまではそのままで施工できます。
D 耐薬品性
1. ベロメタルは化学薬品や酸などに対し特に優れた耐久性があります。さらに各種燃焼物、全ての気象や気候条件に対しても強い耐久性があります。
2. 標準型等が硬化後その表面を機械加工した場合でも、酸やアルカリに対する耐久力に影響はありません。
E その他
1. 電気絶縁性について標準型を例にとりますと、硬化した厚さ25mmベロメタルのブロックは21,000ボルトの電圧に耐えます。
2. 硬化時間について、例えば気温0℃の場合ですとスーパーラピッドは20℃以上の温度がないと化学反応がおきませんのでドライヤーなどで加熱する必要があります。標準型は36時間程度経過すれば硬化します。
3. ベロメタルで補修困難な素材はポリエチレン、ポリプロピレン、テフロン、ナイロン等です。その他の素材はいかなるものでも施工、接合可能です。
4. スーパーラピッドの施工に際しては、補強テープを使用することをお勧めします。補強テープの上にスーパーラピッドをのせ、手のひらに乗せて発熱を確認してから補修箇所にあててください。スーパーラピッド自身の化学反応熱で硬化しますが、冬季など20℃以下の気温や補修素材が冷えているときは素材面をドライヤー等で加熱してから施工してください。